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なんというか後ろ向きだけど、非常に前向きな作品です。
いろんな事情を抱えた流れ者たちが住み込みで働く小さな運送会社。そこで主人公・健次が幼い頃に自分を捨てた母と再会し、復讐心が芽生え……。
主人公を演じるのは、静かに狂っている役をやらせたらとにかく怖い、浅野忠信。余談ですが、長髪で仙人のような風貌は、浦沢直樹の『20世紀少年』に出てくるオッチョに似ています。そして再会する母、石田えりの神々しいまでの存在感。何十年ぶりの息子との再会にまったく動じず、毎日顔を合わせていたかのような素振り。息子を捨てた過去はさておき、惜しみなく愛情を注ごうとする。圧倒的な強さ。
オカンってすごいなあ。
戸惑いやいらだちを隠せない健次は、いきがればいきがるほど子どもに見え、母の偉大さが際立つばかり。そして健次の恋人役、板谷由夏もさばさばした姉御肌で、これまたすごくいい。運送屋で働くバスジャックの被害者、梢を演じるのは宮崎あおい。気になる女の子にちょっかいを出す小学生のガキのようなオダギリジョーへの対応も非常にクールで小気味よい。
とにかくこれは、女=神、男=俗物(神にひれ伏す人)、という構図をはっきりと描いた女性賛歌の映画ではないかと。なぜ女が神になり得るかというと、子どもを生むことができるから。そこに収束させていく展開もみどころです。
なかなかどうして、青山真治監督、よいと思います。
序盤、光石研と斉藤陽一郎の長回しに笑った笑った。
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